2026.06.01
- 院長のつぶやき
歩くと足が痛くなる「間欠性跛行」とは?
「少し歩くと足が痛くなるけれど、休むとまた歩けるようになる」。このような症状がある方は、「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」かもしれません。加齢のせいだと思って放置されることも少なくありませんが、実は血管の病気が隠れている場合があります。
間欠性跛行とは、歩行中にふくらはぎや太もも、お尻などに痛みやしびれ、だるさが現れ、しばらく休憩すると症状が軽くなり、再び歩けるようになる状態を指します。主な原因として、「末梢動脈疾患(PAD)」と「腰部脊柱管狭窄症」の2つが挙げられます。
循環器内科で特に注意したいのが末梢動脈疾患です。これは足の動脈に動脈硬化が起こり、血管が狭くなったり詰まったりする病気です。歩行によって筋肉が多くの酸素を必要とする際に十分な血流が供給できなくなり、痛みやだるさが生じます。休憩すると筋肉の酸素消費量が減るため、症状が改善します。
末梢動脈疾患は、喫煙、高血圧、糖尿病、脂質異常症、慢性腎臓病などと深く関係しています。これらは心筋梗塞や脳梗塞の危険因子とも共通しており、足の症状は全身の動脈硬化のサインである可能性があります。そのため、「足が痛いだけ」と考えず、早めの検査が大切です。
一方、腰部脊柱管狭窄症では神経の圧迫によって似たような症状が現れます。特徴として、前かがみになると楽になりやすく、自転車は問題なく乗れることが多いとされています。症状だけでは区別が難しい場合もあるため、専門的な評価が必要です。
末梢動脈疾患の診断には、足首と腕の血圧を比較するABI(足関節上腕血圧比)検査が広く用いられています。検査は短時間で行うことができ、身体への負担もほとんどありません。必要に応じて超音波検査やCT検査などを追加することもあります。
治療では、まず禁煙が非常に重要です。また、高血圧や糖尿病、脂質異常症の管理を適切に行い、動脈硬化の進行を防ぎます。薬物療法に加えて、適切な運動療法も症状改善に有効です。血管の狭窄が高度な場合には、カテーテル治療や外科的治療が検討されることもあります。
「歩くと足が痛い」「以前より長く歩けなくなった」「足が冷たい感じがする」といった症状は、年齢のせいだけではないかもしれません。特に喫煙歴のある方や生活習慣病をお持ちの方は注意が必要です。早期発見・早期治療によって症状の改善だけでなく、心筋梗塞や脳梗塞など重大な病気の予防にもつながります。気になる症状がある方は、ぜひ一度ご相談ください。




